We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

研究活動

57秒4からの夢の続き

24年前の1998年のこの日(11月1日)、私はちょうど大学学園祭模擬店の運営に関わっていて、この日開催される競馬のレースを後で楽しもうと録画予約していました。レースが終わった頃の時間帯に模擬店で合流した先輩が次のように言ってきました。 「サイレンス…

学会参加@仙台

日本国際政治学会に久しぶりに参加しました。仙台空港のカフェで本記事を書いています。 初日:部会3国際政治史は刷新されるのか?、アメリカ政治外交分科会 2日目:部会6政治と音楽、院生・若手研究Ⅱ、国連研究分科会、共通論題 3日目:日本外交史分科会Ⅲ…

2022年度前期を振り返る

久々の更新です。科研費もなく、大学から支給される研究費も残額10万円程度しか残っていないので海外調査に行く余裕もなく、国内でできることをコツコツと進めています。締め切り地獄だった昨年度とは異なり、直近で仕上げるべき原稿はないので、無理なく…

A・G・ホプキンズ先生との学術交流

5月15日から22日まで、イギリス帝国史研究の大家A・G・ホプキンズ先生が沖縄に滞在するあたり、そのホスト役をどうにかこうにか担当しました。本来なら2020年秋に実現していたはずの企画でしたが、COVID-19パンデミックの影響で幾度となく延期になり、やっと…

大久野島訪問

2泊3日の旅程で、教材研究及びグローカルヒストリーのイメージをつかむための調査出張で広島県竹原市忠海の大久野島に行ってきました。10年以上ぶりの訪問でした。 「うさぎの島」として有名ですが、かつて芸予要塞として日露戦争に備えて砲台が設置され、19…

「つながる」三部作?ー近刊!『島嶼地域科学を拓く』

https://www.minervashobo.co.jp/book/b602473.html 書影が出てました。編者のひとりとして奮闘してきた『島嶼地域科学を拓く』がもうすぐ刊行されます!琉球大学島嶼地域科学研究所主幹の共同研究プロジェクトメンバーによる作品です。「あとがき」にも書き…

専門分野の存在は心の支え

『つながる沖縄近現代史』の二刷が決定しました!多くの方に手に取っていただけて嬉しく思うと当時に、執筆者の一人としての責任も重く受け止めています。さらにもっと自分自身の専門分野である西洋史/アメリカ史/太平洋史研究を磨いていくことで、私の生…

「つながる」ということー近刊『つながる沖縄近現代史』に寄せて

borderink.com 11月末に、『つながる沖縄近現代史』が刊行されます!私も世界史/アメリカ史/太平洋の視点から沖縄を論じるという大役を仰せつかり、第10章を担当いたしました。 沖縄にやってきた7年前はほとんど知り合いがいなかった中で、母校である福岡…

大型書店は常に探検すべし

グアムや太平洋海域における環境史を今後本格的に研究したいという野心を胸に、不勉強なままの法学分野の基礎もしっかり身につけてみようと思い、環境法関連の本を求めてジュンク堂美栄橋店へ。法学関連の棚にあるだろうと思い、棚の表示を見て回ると、普段…

「食」に関する本、集めてます

最近、食をめぐるいろんな本が出てることに気付かされます。コロナ以前からも、TVの孤独のグルメや吉田類の居酒屋放浪記が人気で、古典?を紐解けば、美味しんぼやクッキングパパにその源流を求めることもできるかもしれません。 食といっても、生産する、加…

2021年、始動

寒中お見舞い申し上げます。 亡き祖母の喪中につき、新年の挨拶は控えさせていただきました。 年末年始は福岡の実家でゆっくりと過ごしました。まあちょっとだけ仕事も持ち帰りましたけど、ほぼ「孤独のグルメ」を見続ける、姪が大好きな各種カルタに興じる…

研究モードへの助走の準備…

先日やっと前期講義関係の仕事がひと段落したので、研究モードへ。おかげさまで色々と執筆する機会、編者になる機会を頂いています。 今、構想立案段階のものも含めて3つ(広くいえば4つ)に関わっています。 1、琉球沖縄近現代史に関する入門書(1章分を担当) …

2020年の研究活動についての抱負

2020年になりました。秋には米大統領選が控えるなか、イラン革命防衛軍の司令官をアメリカが殺害するというニュースが飛び込み、幸先悪いスタートになったようです。年末に「情報収集」の名の下で中東海域への自衛隊派遣を決めたばかりの安倍は、今回の件に…

新しい言語を学ぶ

今学期は、ドイツ語との戦いに明け暮れました。ドイツ現代史を専攻する院生への研究指導で、最低限私も出来る範囲で読めるようになっておかねば、と院生とともに、苦闘してきました。 辞書を引く観点や基本的な文法は少しずつ身についてきたなと実感しつつも…

書評『米国アウトサイダー大統領』(山本章子著、朝日選書、2017年)

ryukyushimpo.jp 書評を書かせていただきました。 以下は、書けなかったことですが、歴史のなかにトランプを位置づけようとする試みは、氾濫するトランプ本とは一線を画す重要な仕事だと感じました。また、既存政治(エスタブリシュメント)に対抗しうる大統…

Guam, Gun Beach

先日のグアム調査の際に、デジカメの録画機能をつかって、宿泊地から徒歩15分くらいの「ガン・ビーチ」を録画しました。 ブログに、各種ファイルをアップロードする技術を習得したつもりですので、試しに活用してみようということで、さっそく張り付けてみま…

The Last Lecture on 18, February, 2017

今日は、おなじ歴史学コースの同僚である山里純一先生(ふだんは固有名詞は極力明記しないようにしていますが、今回は特別編です)の最終講義および退職記念パーティーが開催されました。 山里先生は、①日本古代財政史研究、②古代南島関係史研究、③まじない…

書評『新しい日米外交を切り拓く』

www.okinawatimes.co.jp 紹介が遅くなりましたが、1月7日の沖縄タイムスに書評を書かせていただきました。 学術書以外の書物を評したのは今回が初めてで、すでに出ている他紙の書評も読みつ、切り口をいろいろと模索しました。まずはきちんと内容に寄り添っ…

外国語を鍛える

西洋史学を志す学生は、どこの国や地域を専攻するにしても、まずは英語の文献や論文をきちんと読むことが土台になります。大学院に進学する場合は、プラス対象地域の言語の習得も必要になります。 私はアメリカ史を一応の専門分野としてきたので、英語を徹底…

アメリカ大統領選後

www.okinawatimes.co.jp 先日、人生で初めて新聞の取材を受けました。 事前に最低限の準備はして(久保文明編『アメリカ外交の新潮流―リベラルから保守までー』財団法人日本国際問題研究所、2007年を慌てて読み返す等・・・)、いただく質問に対して、言葉を…

勝連城跡でローマ帝国・オスマン帝国銅貨が発見される

表題に関する記事が、9月27日付けの琉球新報、沖縄タイムス両紙の1面で取り上げられたことから、せっかく沖縄にいるのなら、ということで現地に行ってみました。下写真は、銅貨が発見された勝連城跡(現在のうるま市)です。 勝連城の概要については、下記…

ワシントンDCでの史料収集活動

I got over jetlag finally! 渡米して5日目の夕方。これまで時差ボケで、この時間帯が一番きつかったのですが、やっと今日落ち着いて、まともな夕飯を食べることができました。 さて現在、アメリカ国立公文書館別館(National Archives Ⅱ:メリーランド)…

最近参加した研究会情報

5月末から今日にかけて、以下のテーマの研究会および学会に参加しました。 ・5月26日:ブーゲンヴィル島における第二次世界大戦の記憶(於琉球大学、国際沖縄研究所) ・5月28日~29日:軍事・社会空間の形成と変容[行政協定・沖縄・グアムについて](於明…

書評『核の戦後史』を書かせていただきました

ryukyushimpo.jp 先日、書かせていただいた書評です。 私が大学院修士まで、実質的な指導教員としてお世話になった西嶋有厚先生(福岡大学名誉教授)からいただいた様々な知見を大いに生かすことができました。 『核の戦後史』は、沖縄にいる私たちにも、現…