We shall overcome- 沖縄と世界史-

琉球大学西洋近現代史(池上大祐)の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史・世界史を学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

2021年、始動

寒中お見舞い申し上げます。

亡き祖母の喪中につき、新年の挨拶は控えさせていただきました。

年末年始は福岡の実家でゆっくりと過ごしました。まあちょっとだけ仕事も持ち帰りましたけど、ほぼ「孤独のグルメ」を見続ける、姪が大好きな各種カルタに興じる、食う、寝るの4択でした。ちなみに試しに飲んでみて!と持ち帰ったルートビアは実家の家族には超絶不人気でした…。

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福岡を「南国」と思ってる方もいるかもしれませんが、それなりに厳しい冬もあるわけで。12月30日は一時こんな感じの雪景色に。沖縄出身のゼミ生も雪を経験してみたいとゼミでの雑談で言ってました。

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この本は、姪へのささやかなクリスマスプレゼントです。ガンジーの伝記を読んでるとのことを母伝手で事前に聞いてたので、だったら次はこれでしょ!とAmazonでポチッて渡しました。それよりも姪はSwitchでの「あつ森」に夢中でしたが、本は財産。読んでくれる日をゆっくりと待ちたいと思います。

  ⭐️

本来なら、ちょうど今頃に5ヶ月間のアメリカ滞在から帰国する予定だったのですが、渡米も国内出張までも、コロナに翻弄された一年となりました。遠隔という新しいスキルも習得せざるを得ず、何も生産的なことは出来ないまま、あれよあれよと新年に。

今年の目標は、

1、減量する→Switchとリングフィットアドベンチャーを昨日ポチった!

2、今動いている複数の出版企画をしっかりこなす

3、論文を学会誌に投稿する

4、フランス語を猛勉強する→院での指導のため

5、英会話の鍛錬もしっかり継続する

です。

これらを乗り切った上で、次の単著(グアム研究の成果になると思います)の見通しが見えてくる段階で一年を終えることができたらなぁと夢想しつつ、目の前の雑務をひとつ一つ片付けたいと思います(ちなみにここ二日間は、次年度時間割編成作業の嵐でした)。

We shall overcome!がんばります。

 

 

年内最後のゼミ!

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今日は年内最後のゼミでした。今後の卒論の進め方と共同研究の進め方について議論しながらのハーゲンダッツ祭り!アイスだけだと物足りないと思って、白バラ洋菓子店のキューブ系のケーキも合わせて。飲み会や会食ができないので、せめてもの差し入れです。本当はゼミOBとの交流会もやりたかったけど本当に残念。

コロナの余波もあって卒論指導に時間をかけたこともあって、今年の共同研究はなかなか進められなかったのですが、なんとか「沖縄における女子高等教育の歴史ー琉球大学を事例にー」(仮)となりそうです。時間的な問題もあって、琉大の歴史を全方向で行うには難しく、観点をジェンダーに絞ろうということに。先行研究でも、世界史的視点による『女性と高等教育』、地域史の視点による『沖縄県史 女性史編』があるので、それらを組み合わせて、琉大におけいてどういう「女性像」をもとに教育がなされてきたのかを描くことができればいいよね、と学生たちと議論しました。前史として中等教育も射程に入るかもしれません。

これから、どうチームワークを発揮してくれるか楽しみです。

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来週はまだいくつか講義があるし、学会業務も山積してるし、何より今週末は、琉球史若手が企画してくれた出版打ち合わせ。とても濃い時間になりそうです。できる限り、原稿化を進めておきます!なお、福岡への帰省は12月27日ー1月3日。

『遠隔で作る人文社会学知』に寄稿しました

久々の近況報告です。今学期に担当する授業は、少人数の科目が多く、オムニバスで参加している講義以外は、すべて対面で行っています。ただ、コロナ対策として遠隔を希望する学生に対しては、同時にオンデマンド講義も作っていますので、それがやや大変ですが、前期に試行錯誤しながら培った遠隔講義スキルを活用しつつ、なんとか対応できていると思います。前期に私が担当した遠隔講義の実践報告については、下記の電子書籍に書かせていただきました。1200字程度ですが、何かしらの参考になればと思います!

大嶋えり子・小泉勇人・茂木謙之介編著
『遠隔でつくる人文社会学知―2020年度前期の授業実践報告―』

sites.google.com

 

後期の講義の一部をすこしだけ紹介します。

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専門科目「世界史実践演習(いわゆる史料講読)」では、「戦争抵抗者連盟(WRL)」の創設にかかわった、Jessie Wallace Hughanの思想と行動を描いている、Radical Pacifismの第1章を読み進めています。両親や姉妹も含めてラディカルな家族で、ヘンリー・ジョージの影響も多大に受けていたそうです。

専門科目「世界史研究」では、『アメリカニズムと「人種」』をテキストとして、報告担当章を学生に割り振って、学生による報告⇒学生同士の討論⇒教員による補足・解説という流れで、進めています。第1、2章を読み進め、黒人奴隷制の廃止と「人種」の関係について考察しました。まあ、僕の解説もまだまだですね・・・。もっと通史的な理解を深めないといけません。

共通教育科目「西洋の歴史と文化」では、アメリカ史を軸として、戦争記憶、先住民、人種、ジェンダー、経済、対抗文化の6つのテーマを扱うこととしています。戦争記憶については、硫黄島とグアムを事例に、過去を記憶(顕彰)することの政治性についてお話しました。

ゼミでは、卒論指導と並行して、共同研究「琉大の歴史」(仮称)にようやく着手しはじめました。コロナによって例年よりは遅れていますが、できる範囲で、よりよい成果を出してもらいたいと思っています。さて、どう世界史につなげますかね・・・(地獄のミサワ風に)。ちなみに、ゼミでの雑談で「おじさん構文」なる概念を知りました。大変勉強になりました。

大学院の授業「太平洋島嶼現代史実践演習」(西洋史学演習と併設)では、マーシャル諸島内のクワジェリン環礁の歴史をマーシャル、日本、アメリカの関係から考察したCoral and Concreteの第1章を精読しています。マーシャル諸島共和国からの留学生(専門は環境経済学)も受講しているので、私の拙い英語で母国での生活や文化などを質問しながら、進めています。

 

☆  ★  ☆

10月も過ぎ去ろうとしています。いろいろと忙殺され、研究室はもはや「事務室」です。せめて自宅の書斎で研究を・・・と思っても、その一歩手前のソファーに沈んでしまいます。結局は、喫茶店の力を借りてすこしずつでも研究を進めるしかないようです(ただ意思が弱いだけか・・・)。ちなみに最近のお気に入りは、浦添パルコシティ1階の上島珈琲店。海が臨めて落ち着いた雰囲気でとても良いです。週末は、論文をできるかぎり書こうと思います。

後期のゼミがスタート!

後期学期が1日から始まり、色々授業準備や履修登録手続きなどに追われています。ゼミもスタートし、4年次の卒論進捗状況についてそれぞれ報告してもらいました。洋書をしっかりと読み進めていたり、読むための準備を整えていたり、それぞれしっかり進捗している様子でした。締め切りまで突っ走ってもらいたいですね。

来週からは3年次の卒論構想の進捗確認や共同研究作業がメインになります。ゼミ生に限らず、就活等へのコロナの影響が今後どう出てくるのか、不安に感じている学生もいるようですが、社会が今どうなっているのかを観察する中で、自分で設定した問いに論証立てて答えようとする知的営みを大事にしてほしいと思っています。それが就活等の次のステップへの機動力になるはずですから。うまく言えないのですが、「自分探し」的な思考は、逆に自分を追い込みかねない気もしています。

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先日立ち寄った、うるま市海中道路。「うるまブルー」がとても鮮やかです。

 

「声」を届ける

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今日は午後を丸々使って、地域文化科学プログラム通信(『VOICE』)創刊号200冊の印刷・製本作業を学生たちともに行いました。学生編集委員長の創造的手腕、副委員長の参謀的手腕、委員の献身的なサポートの賜物です。卒論題目や要旨、カリキュラムの説明図のほか、学生による特集企画も充実しています。

本来は7月のオープンキャンパスに合わせて発行する予定でしたが、コロナの影響により、編集が遅れたことと、対面でのオープンキャンパスが取りやめになったこととも相まって、この時期の発行という流れに。

プログラム在学生全員に配布するとともに、直接高校と接する機会があるときに手渡しできればと思っております。もし可能なら学部HP上で、PDF版のウェブ公開もできればいいなぁと思案中です。

これからも積極的に活動内容をアピールし、地理学・歴史学・考古学・人類学・民俗学を学びたいと思ってくれる方の受け皿になれるようコツコツと頑張っていこうと思います!

 

研究モードへの助走の準備…

先日やっと前期講義関係の仕事がひと段落したので、研究モードへ。おかげさまで色々と執筆する機会、編者になる機会を頂いています。

今、構想立案段階のものも含めて3つ(広くいえば4つ)に関わっています。

1、琉球沖縄近現代史に関する入門書(1章分を担当)

2a、島嶼地域科学(学内共同研究プロジェクトの成果発表の一環として)に関する和文入門書(編者及び寄稿)

2b、同上プロジェクトの英文論文集(研究所発行の研究雑誌特別号として発行する予定のため厳密には書籍には含めず)

3、福岡の研究仲間との「地域からの歴史実践(仮)」についての論文集(編者、寄稿)

 

1では、在沖米軍基地の歴史を世界史の中に位置付ける予定

2aでは、『論点・西洋史学』の構成を参考にして全体を編むとともに、自分の執筆担当では「軍事と環境」の観点からいくつかの用語や事象を説明する予定

2bでは、グアムの太平洋戦争記念公園建設準備のための環境アセスや基地公害を事例に、アメリカ環境史研究と島嶼との接続可能性を整理する予定

3では、大学・高校・自治体で活躍するメンバーの歴史実践を「地域」というキーワードから論じるなかで、上原専禄の世界史論や沖縄県歴教協の実践の歴史を取り上げる予定

 

これ以外にも、グアム研究に関する個別論文もいくつか書きたいと思っているので、色々と積み重ねていきたいと思います。次の単著も具体的に計画せねば。

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昨日、3に関わるメンバーでのオンライン飲み会で、いつの間にかワイン一本開けちゃいました。朝はなかなかグロッキーでした…。今日明日は充電期間としてダラダラしつつ、部屋掃除しつつ、積み本を読みたいと思います。いわば、「研究モードへの助走の準備」ですね(=え、結局決意だけのパターン?)

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ちなみに最近読んだこの本、泣きました。2020年度センター試験国語の小説「翳」の著者で、ちょっと話題になった原民喜の評伝です。原爆経験を綴った「夏の花」が有名ですね。琉大図書館に所蔵されてない『定本原民喜全集』全3巻を自分の研究経費で購入。こういう本は学生にもぜひ読んでもらいたいです。

前期ゼミが無事終了☆

昨日で、西洋近現代史ゼミの前期日程を無事全て終えました。

3年次の卒論テーマの大枠も決まりつつあります。

ソ連(ロシア)の芸術と政治ーショスタコーヴィッチを中心にー

ナチスプロパガンダと芸術

シオニズム運動について(テオドール・ヘルツルも取り上げるかも)

アメリカ?のミュージカル史

まだまだ、何に関心があるのかを十分に掘り下げられていない点もありますが、「やりたいテーマとやれるテーマとの間」をどう埋めるのか、懸命に格闘中です。COVID-19の余波を受けながらも、なんとかここまでこぎつけることができました。

他、半期ずつ学期が前後にずれている方々含めての「ほぼ4年次」のみんなも勢揃い。教育実習、博物館実習、院試等を控えている中で、卒論のための洋書翻訳も本格化させていく時期ですので、ぜひこの夏を乗り切ってほしいです。

本来は、ここで打ち上げ!といきたかったところですが、状況が状況なだけに残念ながら中止に。せめてもの労いの意味を込めて、ゼミ終了後にみんなでちょっとしたハーゲンダッツ祭りを行い、ささやかに高級感を堪能しました!美味いね、やっぱり。

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と、こんな感じで、専門教育を頑張っています!

   ☆

地域文化科学プログラムの動画紹介も大学HPでアップされています。今年中止になったオープンキャンパスの代替措置ですが、いつでも見ることができるという利点もあります。ぜひとも進路の参考にしてもらえればと思います!

www.u-ryukyu.ac.jp