久々の更新です。科研費もなく、大学から支給される研究費も残額10万円程度しか残っていないので海外調査に行く余裕もなく、国内でできることをコツコツと進めています。締め切り地獄だった昨年度とは異なり、直近で仕上げるべき原稿はないので、無理なく過ごせています。8月26日~30日は地元に帰省し、英気を養ってきました。
前期はなんといっても5月半ばのホプキンズ先生来沖イベントが山場でした。それ以降、少し自分自身の研究力・英語力の未熟さを痛感し、ちょっと燃え尽きかけておりました。6月のアメリカ学会に参加したときも、登壇者や参加者の発言や会話のなかで飛びかう、海外の大学で学位をとった経験/留学経験のこぼれ話/今後の在外研究の予定などの談話が、一層自分の海外経験の弱さを痛感させられました。琉大に着任して以来2015~2019年までは毎年、ワシントンDCやグアムに調査に行っていたので、海外経験の弱さをなんとか埋めわせようとおそらく必死だったのだろうと思います。
ただ、コロナ禍も相まって、オンライン対応、新しい教育方法の模索、新研究科の発足などの目の前の課題をこなしていく日々に追われ、3年間一切海外に行けていないことも相まって、今年の5月の山場を経験して、研究者としてこれま自分がやってきたことが、何か小さく見えて、「別に僕がいなくても/別に僕が頑張らなくても、優秀な研究者はゴマンといるよね・・・」と思う自分が出てきてしまいました。「君の研究は、誰かが掘った穴をただ深く掘りなおしているだけだよね」と博士院生時代に参加した東京での研究会で言われたコメントがなんども脳裏によみがえってきました。
それでも、6月後半に日本アメリカ史学会で歴史教育に関する例会企画・司会を担当し、7月には『つながる沖縄近現代史』をテーマとした桜坂市民講座でも講義を担当し、8月は九州西洋史学会若手部会のお手伝いをし、9月の七隈史学会での歴史教育をテーマとしたシンポジウムで登壇する機会をいただき(目下準備中)、4月に「軍事と環境」セッションでのコメントを担当した戦争社会学研究会から、同テーマでの原稿執筆依頼(12月締め切り)をいただくことで、少しずつ、自分のやるべきことを落ち着いて再確認できるモードにようやくなれました。ゼミ生たちもゼミ運営やそれぞれの研究に一生懸命で、それも改めて私の支えになりました。仕事/役割がある、というのは大変ですけど、やはりありがたいことです。
講義では、共通教育科目「歴史を考える」で完全アクティブラーニング型授業に初トライしました。上杉忍『アメリカ黒人の歴史』をテキストにして、「予習・グループ討論・討論内容のシェア・教員の解説」を軸に展開しました。いろいろと反省点もありますが、総じて文系理系問わず、レポートの質が全体的に良かったです。この講義実践については、いつか高大連携研の教材共有サイトか、沖縄県歴教協の例会で紹介できればと思っています。
これから2022年度も後半戦に入りますが、当面「短距離/マイル戦」的原稿は極力控え、健康的に過ごしながら(=つまり運動して痩せる、ということ!)、きちんと「中・長距離戦」的原稿を頑張りたいと思っています。そして2023年度の「変則的長期研修」の土台にしたいと思います。
☆ ☆ ☆
<9月の西洋史に関連する学会情報>