24年前の1998年のこの日(11月1日)、私はちょうど大学学園祭模擬店の運営に関わっていて、この日開催される競馬のレースを後で楽しもうと録画予約していました。レースが終わった頃の時間帯に模擬店で合流した先輩が次のように言ってきました。
「サイレンススズカ、骨折したらしいよ…。」
そのレースとは天皇賞・秋。1998年に古馬になったサイレンススズカは大逃げでの連勝記録を伸ばし続けてこの秋天に一番人気で挑む事に。私は帰宅後録画したレースを見て、そのサイレンススズカがレース終盤に骨折で競争中止になったのを目の当たりにしました。もちろんショックでしたが本格的に競馬を勉強しはじめて2年目だったことから、このことがどういうことかわかっておらず、「骨折=ただの怪我=次がある」という認識でした。しかしおそらくその日の夜か次の日のニュースか新聞で、初めて「予後不良」(安楽死処分)という事態を知り、その存在と結果に愕然としました…。それからサイレンススズカはずっと「私たちの夢」であり続けました。
あれから20数年。面白そうなサブカル作品をいつも紹介してくれるゼミ生から、ちょうど一年前ごろに「ウマ娘」というコンテンツを教えてもらったことがきっかけで、擬人化コンテンツに苦手意識を持ちつつもアニメ1期を視聴しました。スズカ先輩をどう描くかもう緊張しかありませんでしたが、怪我で留まって復活するというifを見せてもらっただけでも本当に嬉しかったです(2期も感動!)。さらにゲームアプリのメインストーリー第5章をYouTuberのゲーム配信で昨年末に見たのですが、スズカ先輩が怪我をせずにあの大欅を越えて秋天をゴールした瞬間はもう涙が止まりませんでした(T ^ T)。(ちなみにこれがゲームをダウンロードした直接的なきっかけでした。)
この5章の演出を見てて、そういえばそうだったなと思い出したのが、「1000m通過57秒4」というハイペースな展開。そして先日の秋天。大逃げを打ったパンサラッサの1000m通過タイムがまさに57秒4!大欅を越え、ラスト直線50mあたりでイクイノックスに差されるまでずっと逃げて粘っていた姿に、あのスズカの夢の続きを見させてもらった気がして涙が出そうになりました(出張帰り中の空港内でしたので我慢しました)。
このような感動を味わうことができたのは、長年競馬ファンをやってきたからだけではなく、本気で競馬に敬意を持ってくれている「ウマ娘」というコンテンツが、「過去と現在との対話」を可能にしてくれたからだと心から思っています。
ウマ娘ブームがきっかけで、逆にそのファンの動向から教わったこともあります。引退馬に対する支援です。年間レースのために約7000頭のサラブレットが誕生しますが、活躍できるのは一握りです。経済動物である以上、処分されることが多い世界です。それでもせめて活躍した馬が余生を過ごせるように、とファンによるクラウドファウンディングで支援する活動があることを初めて知って、競馬ファンという自負が本当にちっぽけに見えました。私にできることは限られていますが、引退馬を管理するヴェルサイユリゾートファームの会員に最近なりました。
これもまた大切な、ある種の過去と現在(と未来)との対話ー歴史実践の一つかもしれません。
🐴
という感じで、今後は趣味関連で考えた事もゆるーく記事にしていこうと思います。