We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

何も書けなくて・・・夏

前期の講義がほぼ終わりました(あと2科目分、最終回を残しているけど)。6月からはゼミ以外は全て遠隔に移行したり、昨日はゼミを中止にしたりとコロナに翻弄された4ヶ月間でした。

共通教育「西洋の歴史と文化」ではここ数年はアメリカ史を中心に取り上げて、6つのテーマ(戦争記憶、先住民、人種、ジェンダー、貧困、対抗文化)で構成していますが、かなり熱意を持って受講してくれていました。テーマ史で構成することの可能性に手ごたえを感じています。今回の自由論題型の期末レポートでは、アメリカ史/研究についての論文の自由選択制を要件に取り入れましたが、他のヨーロッパ史の論文にもトライさせても良かったのかも、とふと思いました。

他大学の非常勤として担当した「西洋史Ⅰ」は、かなり悩みながら構成しました。教職課程の必修科目で全15回で古代から現代までを通史で扱う必要があったからです。前近代、長い16、18、20世紀の4部構成で組んだものの、全体のキーワードとして設定していた帝国と海域という観点の整理は結局中途半端になってしまいました。前近代からの「世界帝国」と19世紀末の「国民帝国」の違いや、世界システム論でいう「世界=経済」と帝国の関係などに深く言及できず、あいまいさを残してしまった…。海域も、地中海→大西洋/カリブ海→インド洋→太平洋への拡大過程を説明しているとはいえ、海域そのものの意味についての分析を深められなかったので、ちょっとモヤモヤがくすぶっています。

とはいえ、それでも多くの学生たちの熱意あふれる講義感想文に背中を押してもらえて、何とか完走することができました。

今日と明日は高大連携歴史教育研究会第7回大会開催中。いろんな歴史実践に学びたいと思います!

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腰痛再発に伴い、ソファーをベッドに変えて、療養と作業を行ったり来たり。遅れている原稿がまだ何も書けなくて・・・夏。

♪こんなに素敵な史料が俺、待っててくれたのに
“どんな視点でも、書き上げて”  そう言ってくれたのに♫