We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

「世界史研究」という講義の紹介

地域文化科学プログラムでは、歴史学分野の専門科目として、「○○史研究」という科目を配置しています。日東西に分かれていた旧専攻時代とは異なり、大きくは日本史研究、世界史研究に分け、それぞれI〜Ⅵの番号を付しています。私は世界史研究のⅢ(旧西洋史研究Ⅲ)とⅥ(旧西洋史研究Ⅳ)を隔年で交互に担当する中で、帝国史(西洋現代史)とアメリカ史を交互に入れ替えて実施しています。

今年は帝国史(西洋現代史)。木畑洋一著『二〇世紀の歴史』をテキストにして、節ごとに担当者を決めてレジュメ報告→議論→教員による補足・解説という流れで毎回展開。特に今年は、初の取り組みとして、レジュメにまとめる際に、該当箇所の内容に関係する一次史料(日本語翻訳版でよい)を一点使うように、という条件を付してみました。どういうレジュメを作ってくるか今後が楽しみです。

今日は、ページ数が少ない序章ということで、同じ木畑著「歴史学における「グローカル」の視座」という論文も事前に読んできてもらって議論しました。今日の報告担当者は、水平的なつながりを見出そうとするグローバル・ヒストリーには、中心と周縁の不均衡な関係も包含しているのでは?という、今後本書を読み進めていく上でも重要な論点を出してくれました。

他にも、グローバル・ヒストリーあるいはグローカル・ヒストリーを高校教育の現場でどう扱うのか、前近代における「帝国」と「長い20世紀」における「帝国」の違いはどこにあるのか、という点にも及び、議論が盛り上がりました。昔読んだスティーブ・ハウの『帝国』をまた引っ張り出してみようかな。

とにかく後期のあいだ、「帝国」と「脱植民地化」にどっぷり浸かって、その構造を学生とともに改めて学んでいきたいと思います。

 

⭐︎おまけ⭐︎

ツイッターでもつぶやきましたが、こういうテーマを毎日扱っているので、脳内には、FF2の「反乱軍のテーマ」がエンドレス。iTunesでダウンロードして、着信音用のファイルに変えて設定。熱いです!