We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

歴史教育に関するプラットフォームづくり、少しずつ

4月22日より、九州西洋史学会若手部会の新会長(九州西洋史学会若手担当理事も兼任)に就任いたしました。本来は会長職自体を若手院生に担ってもらうのが本来の姿ですが、入学・修了のサイクルが早く、安定的な運用の難しさがあることと、高大連携のためのプラットフォームづくりという新しい役割を担う必要があることから、これまでずっと裏方として暗躍してきた経験を活かして私が会長になったほうが早い、ということでこのようになりました。

九州西洋史学会若手部会は、九州西洋史学会を母体とし、2012年7月に発足しました。地方大学では、西洋史を学ぶにしても満遍なく全時代をカバーできる環境が整っていることは少なく、例えば私は専門は現代史ですが、卒論指導は16世紀あたりから担当しなけれならない状況です。そこで、この九州・沖縄圏内(圏外も大歓迎)を軸とした大学間ネットワークをつくることで、各研究室の西洋史学生がより専門分野に使い他大学の研究室の学生や教員と交流することで、より専門的な研究活動を支えるというのが最大の目的です。過去の開催分は以下のHPをぜひご参照ください。

www2.lit.kyushu-u.ac.jp

 

発足当初は、将来の若手研究者養成を念頭に置いておりましたが、中等教育機関の教員をめざす学生のほうがやはり多いことと、昨今の歴史教育をめぐるさまざまな動向をフォローする必要があることから、ここ数年は「西洋史」の枠組みを越えたかたちでの歴史教育に関する企画も進めてまいりました。この経験をもっと本格的に生かすために、九州西洋史学会若手部会は、歴史教育に関する企画を必ず年1回は開催することを前提に、教員養成という機能も積極的に担っていくこととなりました。その一環として、私も長らく関わっている高大連携歴史教育研究会の「地域別・教科別研究会連絡委員会」に正式に加盟することになりました。全国の高校の先生方とのつながりのなかで、教職を目指そうとする西洋史学生(歴史教育企画の場合は西洋史以外の学生も大歓迎)をなとかサポートできればと思っております。

kodairekikyo.org

なお、高大連携研では長らく会報編集委員長/副委員長を担ってきましたが、2022年8月から「ヒラの編集委員」になりましたので、ちょっとだけ身軽になりました。編集委員として今後も暗躍しつつ、これまであまり関与することができていなかった第2部会(教材開発・共有)活動でも少しずつサポートできればと思っております。

 

沖縄県内でも高大連携による歴史教育に関する意見交換ができるようなネットワーク構築を目指していまして、運営委員として関わっている琉球沖縄歴史学会内に「歴史教育部門」を発足させ、まずは例会企画を練るための場として運用を開始いたしました(世話人は暫定的に私が担当)。現状では7名のみですが、いろいろ柔軟に広げていきたいですね。ここでも高大研とのつながりを生かすつもりです。

  ☆

なにかと暗躍・裏稼業が多い(学生時代からあまり変わってない・・・?)のですが、その分役得といいますか、いろんな情報が入ってきますので、たくさん刺激を受けながら、たまには憤慨しながら、自分の教育研究活動に落とし込んでいきたいです。要は、これらの経験がめぐりめぐって、うちのゼミ生にとってのメリットになればそれで願ったり叶ったりなのです(その意味では、結構「戦略的に」動いています)。