We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

ゼミのフィールドワーク@読谷村

11月23日の祝日を使って、3名のゼミ生と読谷村フィールドワークに出かけました。

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行き先やルートはゼミ生たち自身で調べて作成してもらいました。ゼミ生の完璧なナビのお陰でうまい具合に全て巡ることができました。

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最初に訪れた海底電信線記念碑。1905年にはすでにヤップ島線があったことが意外でした。まだまだ不勉強でした…。

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そしてチビチリガマへ。怒りと悲しみの声が今にも聞こえきそうな「世代を結ぶ平和像」が心に深く残りました。

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そこでゼミ生が、ひとつだけ十字架がある、と気づきました。キリスト教信者の犠牲者だったのかもしれません。

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さらに北上して残波岬にあるタビンチュモニュメントへ。観光業界の顕彰系なのかなと予想してましたが、移民県としての歴史を顕彰するものでした。ちなみにモニュメント製作者はも先の平和像と同じ、彫刻家の金城実さんです。

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道すがら、泰期像モニュメントを発見。不勉強ながら、泰期という人物を初めて知りました。

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そのまま残波岬の「CAPE ZANPA Drive IN」で昼食!フライドチキンバーガーと紅芋ポテトフライ。バンズもフカフカで、紅芋フライも美味しかったです!

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なんだか犯行を自供しそうな断崖。この日は風が強かったので海も荒れ気味でした。でも海はやっぱり癒されます。いろんな角度から、世界とのつながりを感じさせる残波岬でした。

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午後は、ユンタンザミュージアムへ。ここでは時間をとってゆっくりそれぞれ見てもらいました。ちょうど、特設の移民展がありましたのでとても参考になりました(写真は常設展パネル)。戦争記録の村史や博物館紀要バックナンバーも数冊購入。

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最後に訪問した「梯梧之塔」、「さくら之塔」。ここは、他にも小さな慰霊碑があったりと複数の記憶が集積する場所でした。なかには群馬出身の部隊長を追悼する碑も。細かく調べる必要がありそうです。

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道すがら、見つけた「非核宣言」の碑。重要ですね。

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という感じ一日が終わりました。例年は2泊3日で組んでゼミも開くのですが、今回は自重し日帰り。それでも一年ぶりにフィールドワークできてひと安心です!

   ⭐️

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現在、屋良朝苗山内徳信、知花弘治の3名を軸に、復帰運動、反基地運動、移民について3名それぞれが調査中です。昨日のゼミでは、早速ゼミ生が『つながる沖縄近現代史』を買ってくれて、第8章の内容をまとめてくれました!嬉しい限りです。

今回の研究成果は、例年3月に開催している琉球沖縄歴史学会の学生報告会の場で報告できれば、と思っています。