We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

ゼミ研修@石垣島ー「染織文化のグローカルヒストリー」を探究する!

11月19、20日にゼミ研修で6名で石垣島に行ってきました。ゼミで実施している共同研究「沖縄のなかの世界史発掘プロジェクト」の一環で、今年のテーマである「染織文化のグローカルヒストリー」の調査が目的でした。宿泊を伴う研修は3年ぶりです。

初日はあざみ屋みんさー工芸館さん、二日目はみねや工房さんで機織りを体験することができました。完成した織物はこんなかんじです。左は「絣」、右は「花織」の技法とのことです。

 

こちらはあざみ屋さんの様子

ゼミ生がもくもくと機織りしています(*肖像権の許可をいただいています)。

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こちらはみね屋工房さん。機台(ルーム)全体の様子です。

上下二手にわかれた経糸の間に杼(シャトル)を通過させて緯糸を織ります。足のレバーで経糸の上下を入れ替えることで緯糸が固定され、かつ計算されたデザインがうきあがってきます。

いや、ものづくりってほんとうにすごいですね。これまで偉そうに産業革命を講義で扱ってきましたが、こういう原点を経験することも大事ですね。

沖縄の染織文化を世界史にどうつなげるのか、実際はなかなか難そうですが、現在史料講読に準ずる演習科目で、Erika Marie Bsumek, “Value Added in Production and Trade of Navajo Textiles: Local Culture and Global Demand,” in A. G. Hopkins,ed., Global Hsitory: Interaction Between the Universal and the Local, Red Globe Press, 2006を翻訳しているので、ナバホ族の織物文化との「比較」もアリかなと考えているところです。

 

他、せっかくの石垣島訪問ということで、直接今年のテーマとは関わらない、八重山戦争マラリアや入植者関連の記念碑などを見て回りました。教職を目指しているゼミ生もいるので、教材研究の参考にしてほしいですね。

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初日の昼食は、人気のハンバーガー店「バニラデリ」。石垣牛の旨味が最高でした。

本当は、あざみ屋さんかみね屋工房さんで撮ればよかったのですが、ついつい忘れて、返却後のレンタカー店での記念写真📷。(*肖像権の許可をいただいております)

ゼミ生に旅程の作成・事前予約・運転をお任せし、無事しっかりと安全にこなしてくれました。大変心強かったです。私ができるサポートは飛行機代以外の費用をすべて出すことと温かく見守ることくらいですが、少人数だからこそなんとかできているので、しかりと次につなげていきたいと思います。