We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

前期の講義、無事終了

補講日の講義を終え、前学期の授業が無事終了。今年の共通教育科目「西洋の歴史と文化」は、例年の西洋近現代史通史をやめて、6つのテーマ(硫黄島とグアム、アメリカ先住民、黒人、フェミニズム運動、経済および社会保障政策、対抗文化とベトナム反戦運動)からなるアメリカ史を新たに準備して学生たちと考察してきました。一見バラバラに見えるテーマも、実は相互に繋がっているということを感じてもらえたようでした。

 

 

また、学生のみなさんの講義感想文を読むと、日常的に、アメリカとの「距離」が近いということがよく伝わりました。親戚がアメリカで生活している、バイト先の店にアメリカ人がよく来る、アメリカ人の友人がいる、など色んな例があり、福岡での非常勤講師時代に何度かアメリカ史を講義したときとは、やっぱり違うなぁと感じました。

 

沖縄でアメリカ史を学ぶことの意味は、ただアメリカ通になる、ということではなく、アメリカに内在する様々な「境界線」を認識し、その内と外とのせめぎ合いを理解することで、戦争記憶、エスニシティ、人種、ジェンダー、階級および貧困、文化といった普遍的な諸課題へと到達することにあるとか考えています。もちろん、この営為は沖縄をも逆照射することにもなるでしょう。特にコザ暴動の時期の沖縄について、上記の6つのキーワードを駆使してもっと勉強してみたいと思っているところです。

 

ともあれ、ひと段落。

あとは、学生たちからのレポートを待つのみ!

 

(おまけ)

先月のオープンキャンパスでの西洋近現代史ブース。ワシントンD.C.のモール地区を簡易ジオラマ化してみました。あまり人が多くなかったので、評判はよくわかりませんが、来年も懲りずに展示します⭐️

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