We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

新年度スタート!

気がつけば4月ももう終わり。西洋近現代史研究室の新年度も少しずつ動き始めました。新3年生は4名。それぞれ、コーヒーをめぐる経済史ないし文化史、近代イギリスのアッパークラス、近代ヨーロッパ(仏か伊)のモードないし服飾の歴史、アメリカ黒人史(特に南部地域)に関心を寄せて、懸命に文献リストや基礎文献の読解を頑張ってもらっています。今年は私なんかより英語ができる(ネイティブ話者レベル)学生もいるので、そのスキルも存分に活かせてもらえるよう、うまく背中を押してあげたいと思っているところです。

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 共同研究「沖縄のなかの世界史発掘プロジェクト」も今年もしっかり継続。先日ゼミ生たちとテーマ決めについて議論して、上記写真のキーワードから絞っていくことにしました。

実は 久米島学芸員の方から打診があり、19世紀中頃におけるイギリス囚人船の久米島沖での座礁事故に関する当時の英字新聞翻訳のお仕事を引き受ける方向性で現在準備中です。史料講読に準ずる科目で活用し、受講生(=ゼミ生)とともに翻訳を頑張る予定。その準備のために、同授業では、近代ヨーロッパ(特にイギリス)における海事史研究についての英語論文を精読することに。

ゼミ活動にも活かせられる可能性もあるのですが、 コザのローカル史や沖縄の食文化史にも関心を寄せているので、そのあたりは学生たちの意思に任せたいと思います。

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先週の金曜日はゼミの3年次歓迎懇親会。楽しくゆんたくできました。その席でゼミ生が僕の顔は30代くらいに見える、と言ってくれてました。先日同僚の先生からも、雑談の流れで童顔だと言われたこともあり、19才の頃から30代と間違われてきたことと比べるとびっくり仰天です。自分では分からんですしね。素直に嬉しい反面、40代の風格が足りてないだけかもしれないので、より渋く、ダンディになろうと思いました!

そんなこんなで今年度も健康第一に、頑張りすぎないように乗り切ります。

 

  ⭐️

先日、研究活動をちょくちょくご一緒させていただいたことのある方が昨年に逝去された、という知らせをいただいて、今もまだちょっと引きずっています。2003年(私はD1)の南山大学でのアメリカ史夏期セミナー(日本アメリカ史学会の前身)で初めてお会いして、その後も世界政治研究会でコメンテーターを引き受けて下さったり、資料調査先のハワイ大学で偶然お会いして、夕食をご一緒したり、アメリカ学会での私の自由論題報告を聞きにきて下さったり、2021年に日本アメリカ史学会のシンポを一緒に作ったり、本当にお世話になってきました。海外米領地域からアメリカ史を見るという視点を共有してきたこともあって、本当に残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。