We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

今年の共同研究のテーマは海洋博!

今年の西洋近現代史研究室の共同研究のテーマは、「海洋博(1975)のグローカルヒストリー(仮題)」になりました!他にも、ペリーの那覇来航、沖縄のアイデンティティ、沖縄の「男性」性、沖縄の観光イメージ、八重山キリシタン事件、久米島沖で座礁したイギリス船なども挙がりましたが、先行研究へのアプローチのしやすさも考慮しての判断です。ただ、アイデンティティ、男性性、観光イメージという要素は、海洋博を研究する上でも重要になってきますので、存分に活用していくつもりです。あと嬉しいことに、『つながる沖縄近現代史』をすでに読んでくれてたゼミ生から、第14章(開発の時代)と15章(沖縄ブーム)が参考になりそうとの意見も出ました!

ちなみに先週、「地域文化科学フィールドワーク」という演習授業の一環で、沖縄県立公文書を学生たちと訪問した際、企画展「女性たちの沖縄」やシアターコーナーで「アクアポリス」(ゼミで海洋博というキーワードが出てたことと映像時間の長さのちょうど良さが相まってほぼ軽い気持ちでわたしが事前に選定)の映像を観たことが、テーマ選定における問題意識の涵養に繋がったのかもしれません。案内してくださった職員の方々に改めて感謝申し上げます。

院生TAから「世界史とのつながりをどう考えるのか」という重要な指摘もありましたが、「博覧会の政治学」という視点で過去の万博の系譜に位置付けたり、実際に海洋博にどんなパビリオンがあったのか(ソ連館とかもあったらしい)を深掘りしたり、世界レベルの環境保護意識のありようを押さえたりすることで担保できるかなとおもっています。

個人的に私が注目しているのは、海洋博開催時期の沖縄開発庁長官だった植木光教。彼は1960年代に「南太平洋戦没者慰霊協会」代表としてグアム政府と交渉に当たっていた人物なので、何か関連性があると面白そうだなぁと思いつきレベルで妄想しています。

卒論と並行して行うので大変な作業になるのは百も承知ですが、それでもやる!というのがうちの研究室の大前提。今年もぜひ頑張って欲しいです。

 ⭐️

先日25日に45歳になりました。この日も特段ライフイベントがあるわけでもなく、KALDIで奮発して買ったペコリーノロマーノチーズでカルボナーラを作って堪能したくらい。当たり前ですがスーパーの粉チーズとは質が違いすぎてびっくり(なぜかお供はマッコリ)。

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・・・昨年度あたりから、色々自分に足りないものが多すぎるという認識が強くなって、他の優秀な研究者ネットワークの中にいると「自分は場違いなのでは…」という妙な劣等感が、「地方」出の反骨精神を追い越してしまいかねないことが正直ありました(ずっと猪突猛進でやってきたので自分でもびっくりです)。それでも、学会報告や原稿執筆の話をお陰様で継続していただくことができていることをしっかりと受け止め、6月から本格始動する長期研修による在外調査を思いっきり「楽しみ」たいと思います。

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(宜野湾トロピカルビーチ: この「トロピカル」イメージの生成プロセスも共同研究で考えることになりそうです。)