We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

サイパン滞在ー境界編

今回のマリアナ諸島編の移動経路はこんな感じです。

那覇→福岡→グアム→サイパンテニアン→グアム→福岡→実家に帰省予定→那覇

グアムと北マリアナ諸島は微妙に政治的地位が異なるので、同じ「アメリカ」でも移動の際の「入国」と「出国」の位置付けが変わるのか、変わらないのか実は不安でした。グアム国際空港で入国審査を受けて3週間弱滞在したのち、出国手続きして(?)サイパン国際空港へ。てっきりサイパンでも入国審査があると思い込んでましたけど、前の人について行ったら、バッゲージコーナーに出てしまい、「あれ!?不法入国してしまった!?」と冷や汗をかきました。よくよく調べたら、グアムですでに入国しているで「国内移動」になるようです。テニアン行きはローカルな路線なのでなんの不安もなく移動できました。

サイパンからグアムに戻る時は、搭乗口付近で待っている時、聞き取れないアナウンスを無視してたらなぜか待ってる客がみんな何か搭乗口で何か手続きしてる様子だったので、ボーディングタイムまでに何かしないといけないのかカウンター職員に尋ねるとその方が偶然日本の方で日本語で「出国審査を今受けてください」とのことでした。搭乗口に出国審査の窓口があるというのが自分としてはなかなか不思議でした。グアム空港に着いて、前の人についていくと国内移動用のルートでバッゲージコーナーに辿り着きました。当然ながら入国審査は必要ありませんでした。

アメリカであってアメリカでないグアムと北マリアナ諸島自治領。少なくとも米領マリアナ諸島内の航空便での移動は「アメリカ国内扱い」でした。ただここで、ハワイやアメリカ本土(州で構成されている領域)も絡むと、そのまま「国内」になるのかどうか、少し考えてますね。

なお日本から来るにあたって大きな違いは、ハワイやアメリカ本土に行く場合はESTAの取得が義務付けられていて、米領マリアナ諸島に行く場合はESTAは必須ではないという点です。

今回の旅は、アメリカの「内」と「外」の境界について色々考えるいい機会になりました。