We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

パラオ滞在ー博物館編

現在、パラオに滞在中です!念願かなって初訪問。昨日とおとといに、拠点のコロール島にある二つの博物館に行ってきました。まずはベラウ(「パラオ」の現地語読み)国立博物館です(右側)。

f:id:daimayhawks:20231130174843j:image

一階は特設展示になっていて、今は台湾先住民の民芸文化(機織りやかご編み)の展示や、パラオ・ドイツ共同の考古学プロジェクトの紹介パネル展示がありました。

f:id:daimayhawks:20231130180044j:imagef:id:daimayhawks:20231130180133j:image
二階は、パラオの通史。まさにスペイン→ドイツ→日本→アメリカ→独立という植民地主義の歴史が見えてきます。私が「西洋史」の看板を曲がりなりにも背負っている理由はここにあります。なお、18世紀後半に、パラオ近海で座礁したイギリス船員をパラオ人が救助したという出来事やその時の船員がパラオ人のひとりをイギリスまで連れて行ったという話も不勉強ながら今回初めて知りました。

f:id:daimayhawks:20231130180507j:image
f:id:daimayhawks:20231130180522j:image
f:id:daimayhawks:20231130180517j:image
f:id:daimayhawks:20231130180503j:image
f:id:daimayhawks:20231130180512j:image

 

次に訪問したのが、エピソン博物館。館内は撮影禁止だったので入口のみ。

f:id:daimayhawks:20231130181648j:image

1階が歴史民俗展示で2階がお土産コーナーでした。旅行業などのビジネスで活躍した元パラオ大統領ギラケル・エピソン(任期1989-1993)が創設したことで、その名がついているようです。展示の説明では、日本統治時代の青年期にインドネシアに渡り(仕事で?)、1944年にパラオに戻るために乗った船が米軍に撃沈され、泳いで生き延びたという壮絶な経歴を持っているようです。もっと詳しく調べてみたいですね。

二つの博物館で入手した文献資料は以下のとおり。PDFを収録したCDは嵩張らずに済むのでありがたいです。

f:id:daimayhawks:20231130183039j:image

    ⭐️

本当は予算的にはパラオ訪問は難しかったのですが、色々とご支援いただいたおかげで、実現できました。夏に行ったサイパン(北マリアナ諸島)もそうなのですが、修士課程の時に、信託統治というテーマに出会って、それ以来研究活動においてミクロネシア地域とアメリカの関係についてずっとこだわってきたので、その地に立てていること自体が本当に嬉しいです。

最後の写真は、宿に近いショッピングセンター内の惣菜(?)コーナーで買った、じゃがいもと骨付きチキンを炊いたもの。見た目に反してほんのりスパイシーで、美味しかったです。ローカルフードなのかなー。

f:id:daimayhawks:20231130183120j:image