We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

太平洋核実験70年

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今月の7月24日に、「太平洋核実験70年」と題する企画が開催されます。

基調講演される竹峰誠一郎先生から、本企画についてご紹介いただき、わたくしも出席することにいたしました。

 

1946年7月1日は、ビキニ環礁での原爆実験「クロスロード」作戦が行われた日です。2011年の日本アメリカ史学会にて、クロスロード作戦にともなうビキニ住民の移住の問題にアメリカ海軍(1947年7月から信託統治政府の主体となる)の「自治」概念を絡めながら、冷戦初期の文化的政策の一側面を追った報告(未熟でしたが・・・)をさせていただいて以来、ちょっとこの課題からは離れておりました。

 

日本では、当然のことながら、第五福竜丸が被曝した1954年の「キャッスル作戦」に関する関心が高く、それはとても大切なことですが、1946年から1954年に至るまでも、アメリカは、クロスロード作戦、サンドストーン作戦、グリーンハウス作戦、アイビー作戦を展開しながら、マーシャル諸島内のビキニやエニウェトクを「実験の島」に作り替えていきました。このあたりの実態解明も、実はまだこれからの課題ではないかと思っておりますので、そのとっかかりとなる本企画から、いろいろと学びたいと思います。

 

ご関心のある方へ、ぜひ周知のほど、よろしくお願いいたします。