今年3月に刊行した『島嶼地域科学を拓く』の紹介を再び。
歴史学、国際政治学、心理学、観光学、ウイルス学、保健学、考古学、人類学、文学、社会学、ジェンダー研究、アーカイブズ学、環境経済学、マングローブ学、防災研究、移民研究など多岐にわたる学問分野からなる経糸に、「島嶼」という緯糸で編みました。ありがたいことに『南日本新聞』2022年5月29日付けと『島へ.』2022年10月号にも短評・書評していただきました。
「レジリエンス&バイタリティ」をキーワードとする学内の島嶼地域科学研究所主催の共同研究プロジェクトの一環で、コロナ禍で予定していた海外調査がほとんどできないなかで、メンバーのみなさんがこれまで積み上げてこられた知をなんとかつないだつもりです。私自身は、「「地域」という主体性」「ヤポネシア論」「太平洋核実験」「非核兵器地帯」の4つの論点について執筆しました。
(プロジェクトの概要はこちら↓)
ここでの経験から「環境史」という分野について本格的に広げていこうと現在格闘中です。
なお、中等教育機関等の現場での探究活動のヒントになればと思って、「はじめに」に、本書全体の構造と活用方法についても付記しています。ぜひ、学校や地域の図書館に一冊、ご加蔵いただけるとうれしいです。
・・・とはいえ、これから「拓く」という意思をなんとか表明したことに留まっているので、これからさらに、私たちを取り巻く社会の在り方を考え、より良くしていくために、「島」をこれからも編み続けていきたいと思います。そこでできた「布」は、いつか地域社会に生きる誰かを暖めうるかもしれません。