We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

☆西洋史ゼミ前期打ち上げ☆

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先日、西洋史ゼミ学生との前期打ち上げを行いました。

場所は、県庁前の「ぱれっとくもじ」最上階のビアガーデン。

いつもの琉大近辺での宴会とは趣をかえて、ちょっと夏らしくしてみました!

渡米前の、ほっとするひとときでした。充実した夏休みになることを祈っております!

 

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そして私は、8月14日~9月3日までワシントンを中心に資料調査のため渡米します。

ときおりこのブログで、経過報告をしようと思っております。

歴教協沖縄大会の開催(8月5日~7日)

2016年8月5日(金)~8日(日)に、歴史教育者協議会全国大会・沖縄大会が開催されます。全国の社会科をはじめとする教員たちが、日ごろの教育実践を披露し、議論し、共有する場です。どのような教材をつくっているのか、どのような工夫がなされているのか、とても刺激になります。

 

8月5日(金)の全体会は名護市民会館で開催。元人民党議員の古堅先生、新崎盛暉先生の講演、沖縄米軍基地に関する教育実践報告など、盛りだくさんです。みなさんのなかの「沖縄」をぜひ見出していただきたい。

 

8月6,7日の分科会・地域に学ぶ集いは、琉球大学にて。私は、世界分科会で報告させていただきます。

 

☆詳細はこちらのURLをご覧ください☆

http://www.rekkyo.org/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/02c9bdd1003e8951531432f9450e59a5.pdf

 

お時間のある方はぜひお越しください。

学生は、事前受付は1500円、当日参加は2000円です(正規の半額以下!!)。

「歴史総合」(仮称)を考える日ー高大研第2回大会

www.kodairen.u-ryukyu.ac.jp

 

7月31日(日)、高大連携歴史教育研究会第2回大会が、神戸で開催されます。

 

「歴史総合」(仮称)の内容をどうすべきか。

歴史的思考力を育成する方法は何か。

文科省の動向や方向性はどこにあり、我々はどうやって向き合っていくのか。

・・・などなど、課題は多いのですが、研究会としての全体の方向性を確認する重要な場です。安易な日本史必修化を阻止しつつ、かといってこれまでの世界史教育にも問題点がなかったわけではないので、「変わっていく」勇気というものも大切かと思っています。自分のやり方に固執して、変えようとしない人も多い業界でもあるだろうし・・・(これは私のただの主観です)。

 

ここ半年のうちに開催された部会ごとの研究会の記録については近日中に、会報2号としてウェブ上で公開する予定です(もう完成しております)。ご関心のある方は、ぜひ会員になっていただいて、議論を共有していきましょう。(会報の編集を担当しているので、つい宣伝を。)

 

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今年2度目の神戸。前日入りするのですが、やっぱりご当地の「牛」を食べるべきか、土用「丑」の日ということで、「うなぎ」を食べるか、「うし」と「うし」のはざまで揺れ動いております・・・。

 

オープンキャンパスのあり方を考える

7月16日(土)に琉球大学オープンキャンパスが開催されました。

わたくしも、所属する専攻の「歴史学コース」の取り組みの一環として「西洋史学」のブースを設置し、40~50名の高校生に対し西洋史の文献の種類、卒論テーマの決め方などを、パネルをつかって説明しました。

ただ、質問を受け付けてもなかなか出ず、何かぼーっとただ佇んでいるだけの印象をうける生徒もいたり、なんとなく「砂漠に水をやる」感じがぬぐえず、こちらの説明内容がずれているのか、高校生の問題意識が希薄なのか、まだ答えがでないまま・・・。西洋史に関心がある人がブースに来るという方法ではなくて、6~7名くらいのグループごとに、「日本史」⇒「東洋史」⇒「西洋史」⇒「学生相談室」を15分ごとに巡回するという方法で進めているので、その影響もあるのかもしれないが。

もともと「総合的な学習時間」を利用して、高1、高2の参加率が高い傾向にあると聞いていたが、実際には半数が高3だったので、もっと目がキラキラしててもいいのだが・・・。

もちろん、数名は西洋史に関心ありそうな生徒もいて、県外から来てくれた学生もいたのは大変うれしかったです!

 

来年は、今回の反省を生かして、もっと説明内容を変えてみよう。受験勉強のコツみたいなのも必要なのかなー。・・・そもそも私立文系だった自分にできるかどうか不明だが。

 

 

 

 

 

 

ビブリオバトルに参戦!

7月17日(日)、九州大学箱崎キャンパスにて「九州西洋史学会若手部会☆ビブリオバトル」が開催されました。

 

ご承知のことと思いますがビブリオバトルとは、5名前後のグループごとに各人5分ずつの持ち時間を使って、読んできた文献を「魅力的」にプレゼンし、そのグループ内投票で、もっとも魅力的だった本を「チャンプ本」として決めていくバトルのことです。今回は、17名のバトラーと10名くらいのギャラリーの参加があり、わが琉球大学からも4名の学生がバトラーとして参戦しました。

 

中世史、近世史、現代史、テーマ史など多岐にわたる分野から文献が紹介され、どれも興味深かったのですが、一番印象に残ったのが、九大生が紹介してくれた『キノコの歴史』(シンシア・バーテルセン著)。そのなかで日本は「キノコ好きの国」に分類されているそうな。たしかに思い起こせば、キノコをたべて体が大きくなるゲームが人気を博したり、「きのこの里」が突然食べたくなったり、「きのこっのっこーのげんきのこ」というCMが流行ったりと、日本でのキノコ文化はそれなりに歴史がありそうだと感じました。また、この本を選んだバトラーの着眼点が面白かった。大学での部活動中に、ふとフィールド上に生えているキノコをみつけ、「なんでこんなところに?」と思ったことがきっかけだったそうな。おしくもチャンプ本にはなりませんでしたが、見事な着想でした。

 

他、『ハンナ・アーレント』、『ヒトラーとナチ・ドイツ』、『大衆宣伝の神話』など、ドイツ現代史関係の著作が多かったのも、現代を象徴しているのだな、と痛感させられました。

 

なお、今回チャンプ本に輝いたのは、以下の4つ。

高坂正堯『現代史の中で考える』新潮選書、1997年。

・高橋友子『路地裏のルネサンス中央公論新社、2004年。

・潮木守一『ドイツ近代科学を支えた官僚』中央公論新社、1993年。

池上俊一動物裁判講談社、1990年。

 

表彰では、チャンプ本を紹介したバトラーだけではなく、ギャラリーによる評価が高かった本(『路地裏の大英帝国』)に送る「ギャラリー賞」、いい質問をした「ベストクエスチョン賞」も用意。琉大からは3名が受賞!事前に練習してきた人とそうでない人の「差」もこの結果に反映されているようです。まあ、それはともかく、他大学との交流ができたことが一番の財産になったかと思います。

 

秋は、共同研究発表としてまた参戦する予定です!

 

 

 

 

太平洋核実験70年

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今月の7月24日に、「太平洋核実験70年」と題する企画が開催されます。

基調講演される竹峰誠一郎先生から、本企画についてご紹介いただき、わたくしも出席することにいたしました。

 

1946年7月1日は、ビキニ環礁での原爆実験「クロスロード」作戦が行われた日です。2011年の日本アメリカ史学会にて、クロスロード作戦にともなうビキニ住民の移住の問題にアメリカ海軍(1947年7月から信託統治政府の主体となる)の「自治」概念を絡めながら、冷戦初期の文化的政策の一側面を追った報告(未熟でしたが・・・)をさせていただいて以来、ちょっとこの課題からは離れておりました。

 

日本では、当然のことながら、第五福竜丸が被曝した1954年の「キャッスル作戦」に関する関心が高く、それはとても大切なことですが、1946年から1954年に至るまでも、アメリカは、クロスロード作戦、サンドストーン作戦、グリーンハウス作戦、アイビー作戦を展開しながら、マーシャル諸島内のビキニやエニウェトクを「実験の島」に作り替えていきました。このあたりの実態解明も、実はまだこれからの課題ではないかと思っておりますので、そのとっかかりとなる本企画から、いろいろと学びたいと思います。

 

ご関心のある方へ、ぜひ周知のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

高大連携歴史教育研究会に関するイベント情報

www.kodairen.u-ryukyu.ac.jp

 

今週末の6月25、26日に、高大連携歴史教育研究会第3部会・第4部会・第5部会合同中間研究会が東京大学駒場キャンパスにて、開催されます。

 

私も、担当している共通教育科目「西洋の歴史と文化」で、”太平洋からみた西洋史”と銘打って、どうにか新しい工夫ができないものか、日々模索しているところです。少なくとも、「板書しまくって、しゃべりつくして、脱線して、チャイムがなったら、続きは次週!」のような、伏線だけちりばめて回収できないでいる週刊連載漫画ような授業のやり方を反省し、毎回ワークシートというわけにはいかないけど、少しでも学生の能動的な作業を増やそうとしています。どのような工夫がありえるのか、私もしっかりと学びたいと思います。

 

~~~~~~プログラムは以下~~~~~~~~~~~~

<2016年6月25日(土)>

第5部会研究会「大学の教養教育と教員養成を考える―高大接続の入口と出口」(仮)」

タイムテーブル

 14:00-14:15 岩井淳・問題提起
 14:15-14:45 三田昌彦「教養教育としての世界史講義の試み」
 14:45-15:15 戸川点報告(タイトル未定)
 15:15-15:45 中村武司「地方国立大学の歴史教育の現状と課題─弘前大学の事例から」
 15:45-16:00 休憩
 16:00-16:30 松井秀明「歴史教育と歴史学をつなぐ試み―2年間の地歴教員養成講座を振り返って」
 16:30-17:00 桃木至朗「研究と教育をつなぐ歴史学入門講義」
 17:00-18:00 全体討論

 

<2016年6月26日(日)>

第3部会・第4部会研究会「必修科目「歴史総合(仮称)」と新テストのあり方を考える」(仮)

タイムテーブル

 13:30-13:40 開会の挨拶 割田聖史

 13:40-14:20 第1報告 木村茂光「歴史総合」について

 14:20-14:50 第2報告 藤村泰夫「歴史総合」について

 14:50-15:00 休憩

 15:00-15:40 第3報告 磯谷正行「新テストについて」

 15:40-15:50 休憩・会場準備

 15:50-17:30 全体討論 司会:割田聖史・君島和彦

 17:30 閉会の挨拶 君島和彦