We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

宮古島調査研修旅行☆2016.9.14-16

西洋史ゼミ研修旅行で、宮古島へ行ってきました。

目的は、「宮古島のなかの世界史」を発掘すること。具体的には、19世後半のドイツ商船遭難を契機としたドイツー宮古島ー日本ー世界を取り結ぶ歴史をひもとくため、「うえのドイツ文化村」や、海難事故に関する石碑を巡ってきました。

左のお城は、文化村内のマルクスブルク城を模した博愛記念館。ここにはドイツにまつわるさまざまな美術品や展示品もあり、歴史文化を学べる内容になっていました。

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宮古島総合博物館では会議室をお借りして、研究会を開催。夏季休業中に学生たちがそれぞれ役割分担(先行研究の論文要約担当、自治体史担当、同時代の記録文献担当など)を決めており、その成果を発表しあい、どのように統合すればよいかを検討しました。この成果は、秋の九州西洋史学会若手部会で発表させていただく予定です。

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せっかくの宮古島訪問なので、ほか、有名なスムージのお店にいったり、砂浜でちょいと遊んだり、夜中は学生たちから「人狼ゲームをしましょう!」ということで、「騎士」になったり、「占い師」になったり・・・。ゼミ旅行の要素も少しは取り入れたつもりです。学生が探してくれた居酒屋の食事も最高に美味かったですっ。

 

最終日の早朝には、島の東南端の東平安名崎にて、朝日を拝みました。

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学生がまなざす方向に、豊かな未来が待っていることを祈念しつつ、また引き続きゼミを盛り上げていきたいと思います。

 

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17日、18日は、明治大学での日本アメリカ史学会へ。

ちゃんと飛行機が飛ぶことを祈ります・・・。

 

 

 

 

公開シンポ「東アジア共同体と沖縄の未来」(9月11日開催@琉球大学)

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今週末の日曜日、上記のシンポが開催されます。

東アジア共同体」はいかにして可能かー。あらゆる知見を結集させ、未来を展望していきます。わたくしも、「アジア主義」をめぐる歴史について関心があり、アメリカ現代史という専門分野を超えて、「世界史」という観点から、アジアと沖縄をつなげていきたいと思っています。

 

手前みそですが、ポスドク時代にお手伝いしておりました福岡大学西洋史ゼミの共同研究の一環で、「東アジアの連帯」という観点から、近代日本の帝国主義朝鮮半島・台湾・沖縄との関係について学生たち自らの研究成果があります。以下の拙監修本の第10章をぜひご覧ください!

地域が語る世界史

地域が語る世界史

 

 

 

 

28日からKirksvileへ

ワシントンDCでの史料収集を終え、明日からセントルイス経由で、カークスヴィルに行きます。そこにはトルーマン州立大学があり、そこの図書館に、ジョン・コリア(John Collier)文書(マイクロフィルム)が所蔵されているので、それを閲覧しにいきます。はじめての国内移動で、I am very nervous...! 気をつけていってきます。

 

昨日は、調査後に、公文書館で一緒になった先生方と夕食にいきました。シカゴ風のピザ(deep dishというらしい)、美味い!5人でいったのですが、けっこうすぐに、お腹いっぱいになりました。それがこれ!こんなピザ、「美味しんぼ」でしかみたことがない・・・。

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そして今日は、ネイティブアメリカン博物館にいってきました。前回も行ったはずが、重要な展示ブース(アメリカとインディアンの関係史)を見落としてたみたいで、それをゆっくりと見て回りました。

 

前述したジョン・コリアは、内務省インディアン局長として、F・ローズヴェルト政権期の「インディアン・ニューディール」を支えた人物で、戦後には辞職し、次にグアム人民の人権擁護のための言論活動を展開します。そこで、「先住民政策」というキーワードから、アメリカと太平洋島嶼地域の歴史をつなげてみたいと思った次第です。実際、この博物館にはハワイの歴史に関するブースもあり、多面的に歴史をみようとするスミソニアンの問題意識が垣間見れます。

 

また、ここの博物館の特徴がカフェテリアが、先住民の居住地域がごとの料理があることです。僕はバッファローバーガーを食べてみました。それがこれ⇩

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・・・まあ、肉は肉でした・・・。作りおきで冷めている上に、ちょい高めなんで、全般的に微妙・・・。

 

なんだか食レポっぽい記事ですが、うまくいかないこともありながらも、なんとか史料収集に奮闘している毎日です。

 

さて、今から、明日の飛行機乗り継ぎがうまくいくよう、英語の想定問答集を作っておかねば。予約はしているので大きな問題はないかと思いますが。しかも宿泊先がモーテルであることにさっき気づいたけど、車なくても大丈夫ですよね・・・。

ワシントンDCでの史料収集活動

I got over jetlag finally!

渡米して5日目の夕方。これまで時差ボケで、この時間帯が一番きつかったのですが、やっと今日落ち着いて、まともな夕飯を食べることができました。

 

さて現在、アメリカ国立公文書館別館(National Archives Ⅱ:メリーランド)に通って、史料収集に励んでおります。毎朝、公文書館本館(DCモールあたり)から、無料のシャトルバスに乗って約50分かけて移動。本館の写真は以下のとおり、荘厳な造りです。

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あとに建てられた別館は、もっとモダンな感じです。

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前回、卓上の史料を上から撮影する際、腕が疲れ果てた経験から、今回は「新兵器」を導入。カメラ用固定アームです!

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目線の高さもばっちりで、座ったままでぶれなく撮影できています。原資料のホッチキスの止め方で文字が奥まって見えにくいときは、空いている片手で開いておくことも可能。作業がはかどります。

 

さて、肝心の集めている史料についてですが、今回は徹底して、「グアム」に絞り込んで、前回集めきれなかった内務省文書(RG126)のほか、海軍作戦本部長文書(RG38)、海兵隊文書(RG127)、海軍作戦部隊文書(RG313)、海軍省文書(RG428)、太平洋陸軍文書(RG550)を調べています。特に、日本軍を平定した後の1944年夏以降のグアム内での米軍の動きを追っているところです。幸いにも、海兵隊文書のなかに、グアム部隊の「War Diary」があったので、これが今のところ一番有益になりそうです。この調査は、戦後沖縄の基地化のプロセスをかなり意識しています。

 

この史料収集過程については、後期の「アカデミック・リテラシー」(1年次必修科目)でも若干お話しするつもりです。

引き続き、がんばります。

☆西洋史ゼミ前期打ち上げ☆

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先日、西洋史ゼミ学生との前期打ち上げを行いました。

場所は、県庁前の「ぱれっとくもじ」最上階のビアガーデン。

いつもの琉大近辺での宴会とは趣をかえて、ちょっと夏らしくしてみました!

渡米前の、ほっとするひとときでした。充実した夏休みになることを祈っております!

 

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そして私は、8月14日~9月3日までワシントンを中心に資料調査のため渡米します。

ときおりこのブログで、経過報告をしようと思っております。

歴教協沖縄大会の開催(8月5日~7日)

2016年8月5日(金)~8日(日)に、歴史教育者協議会全国大会・沖縄大会が開催されます。全国の社会科をはじめとする教員たちが、日ごろの教育実践を披露し、議論し、共有する場です。どのような教材をつくっているのか、どのような工夫がなされているのか、とても刺激になります。

 

8月5日(金)の全体会は名護市民会館で開催。元人民党議員の古堅先生、新崎盛暉先生の講演、沖縄米軍基地に関する教育実践報告など、盛りだくさんです。みなさんのなかの「沖縄」をぜひ見出していただきたい。

 

8月6,7日の分科会・地域に学ぶ集いは、琉球大学にて。私は、世界分科会で報告させていただきます。

 

☆詳細はこちらのURLをご覧ください☆

http://www.rekkyo.org/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/02c9bdd1003e8951531432f9450e59a5.pdf

 

お時間のある方はぜひお越しください。

学生は、事前受付は1500円、当日参加は2000円です(正規の半額以下!!)。

「歴史総合」(仮称)を考える日ー高大研第2回大会

www.kodairen.u-ryukyu.ac.jp

 

7月31日(日)、高大連携歴史教育研究会第2回大会が、神戸で開催されます。

 

「歴史総合」(仮称)の内容をどうすべきか。

歴史的思考力を育成する方法は何か。

文科省の動向や方向性はどこにあり、我々はどうやって向き合っていくのか。

・・・などなど、課題は多いのですが、研究会としての全体の方向性を確認する重要な場です。安易な日本史必修化を阻止しつつ、かといってこれまでの世界史教育にも問題点がなかったわけではないので、「変わっていく」勇気というものも大切かと思っています。自分のやり方に固執して、変えようとしない人も多い業界でもあるだろうし・・・(これは私のただの主観です)。

 

ここ半年のうちに開催された部会ごとの研究会の記録については近日中に、会報2号としてウェブ上で公開する予定です(もう完成しております)。ご関心のある方は、ぜひ会員になっていただいて、議論を共有していきましょう。(会報の編集を担当しているので、つい宣伝を。)

 

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今年2度目の神戸。前日入りするのですが、やっぱりご当地の「牛」を食べるべきか、土用「丑」の日ということで、「うなぎ」を食べるか、「うし」と「うし」のはざまで揺れ動いております・・・。