今年も、西洋史近現代史ゼミでは、学生たちによる共同研究「沖縄のなかの世界史発掘プロジェクト」を行います。今年のテーマは、宮古島の「久松五勇士」です。
1905年の日露戦争時に、バルチック艦隊を発見した宮古島久松の5人漁師たちがその情報を電信基地のある石垣島に伝えるために、サバニ(小舟)で「勇敢」に向かったという事実が、1930年代、1960年代、1980年代に宮古・沖縄・日本でどう語られてきたのかを主軸に研究していく予定です。
1930年代の学校教育にみられる典型的な「愛国美談」の一例としても位置付けられ、2年前の共同研究テーマである「宮古島民ドイツ商船員の救助の博愛美談化」とも連動する興味深いテーマになりそうです。沖縄出身の学生たちのなかでも、昔聞いたことがある・・・という程度の認知度でしかなく、教員を目指すゼミ生にとっても重要な教材研究の一環にもなるのではないかと思っています。
世界史とつなぐための方法としては、19・20世紀転換期におけるグローバルな電信網の構築や日露関係史をも紐解いてみたいと考えているところです(どうつながるかはまだ先が読めていませんが・・・)。
今日のゼミでは、琉大図書館で文献リサーチを行いました。今後はビブリオを作成したり、基本となる論文を読んだりしながら、内容を詰めていきます。9月にはゼミ生たちと宮古島に行き、実際に現場の空気を吸いながら、フィールワークを行う予定です。
今年こそ台風が来ないことを祈っています・・・。
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宮古島にはトゥクトゥクのレンタルもあって普通免許で運転可能なようなので、せっかくなので乗ってみたいですね。こういうレジャー要素も入れながら、メリハリのある共同研究活動になればと思っています。