先日、西洋史近現代史ゼミを中心として石垣島に行ってきました。
目的は、ロバート・バウン号事件(1852年)と八重山戦争マラリアのついての調査および史跡訪問です。
下の写真は、名蔵湾南側の岬にある「唐人墓」。ロバート・バウン号に乗っていた苦力(中国人労働者)たちが船内で反乱を起こして、石垣島に上陸したのち、この地で亡くなった128名を弔っている場所。1970年に石垣市と台湾の連携で、建立されたとのこと。
その唐人墓の傍らには、太平洋戦争中に日本軍が殺害した米軍捕虜の慰霊碑もあります。
次に訪れたのは、バンナ公園内にある「八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑」。この周辺には様々な戦友会の慰霊碑がありました。行ってみないとわからないものです。唐人墓も含めて、こうした記念碑建立=記憶化のプロセス自体も、分析対象になりそうです。
他にも、石垣市立八重山博物館、八重山平和祈念館を訪問しました。ちなみに、以下の写真は、石垣島のゆるキャラ「ぱいーぐる」。南(ぱい)と八重山の天然記念物のカンムリワシがモチーフのようです。
初日の最後は、ホテル近くの「石垣島ヴィレッジ」の中の石垣島鶏のお店へ。観光地とあって少し割高でしたが、一本一本の焼き鳥はとてもおいしかったです。
しかし、二日目の13日は台風の影響で一日中ホテル待機。他の多くのお客さんが雑談しているなか、ホテルのロビーでゼミを行いました(写真を撮り忘れた)。この日はみんなで買っておいたカップ麺や缶詰、そしてホテルからの無料配布されたカレーでしのぎました。
そして最終日には、ロバート・バウン号が沈没した崎枝湾、石垣―台湾をむすぶ電信所の跡地、ミンサー工芸品店を訪問しました。特に電信(海底ケーブル)の歴史は「地域」からグローバル・ヒストリーを描いていくための興味深い素材となりそうです。米軍による銃撃の跡も戦争の歴史を感じさせます。
最後に、せめてビーチには降り立ってみようということで、一枚。波は荒かったです。
・・・という、台風に遭いながらも、充実した研修調査旅行でした。
ここでの経験を、今後のゼミ活動に活かしてほしいと願っています。